続傀儡師一代|糸が織りなす時間























モノとヒトの対話に生まれる、もうひとつの宇宙論

糸操り芸歴は70有余年。
『傀儡師一代』を書下ろしてから30年が経過。
糸操り芸はその後も進化し、時代も人生も変遷した。

無形文化財にまで登りつめた筆者が
なぜ、十一代結城孫三郎を返上したのか。
糸に伝わる「時間のズレ」とはいったい何か。
観客ゼロの境地。モノとヒトとの対話とは。
「糸」によって構築される思考と宇宙を田中純が描く。

第一回は、舞台で吐血し、運ばれ、
粗末なベッドで目を開けた、白い病室のシーンから始まる。